[レポート] コンタクトセンターにAI/MLサービスを導入するベストプラクティスを学ぶChalk Talkセッションを聴講しました #reinvent #AIM317

[レポート] コンタクトセンターにAI/MLサービスを導入するベストプラクティスを学ぶChalk Talkセッションを聴講しました #reinvent #AIM317

本エントリはAWS re:Invent 2022のセッション「AI-powered contact centers are key for successful organizations (AIM317)」のレポートです。
Clock Icon2022.12.12

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はじめに

こんちには。

データアナリティクス事業本部 機械学習チームの中村です。

re:Invent 2022に現地で参加し、機械学習系のセッションをメインに回っていました。

本記事では「AI-powered contact centers are key for successful organizations」というセッションに参加しましたので、そのレポートをします。

セッションについて

  • タイトル
    • AI-powered contact centers are key for successful organizations
  • 登壇者
    • Esther Lee, Principal Product Manager, Amazon
    • Sara van de Moosdijk, Sr. AI/ML Partner Solutions Architect, Amazon Web Services
  • セッション情報
    • 日時: 2022-11-29 (Tue) 14:45-15:45
    • 形式: Chalk Talk
    • 番号: AIM317
    • 会場: Wynn (Level 1, Montrachet 1, )
    • レベル: 300 - Advanced

なお、本セッションはChalk Talkであるため、セッションの動画は公開されていないようです。

セッション概要

事前の案内としては以下の通りです。

Contact centers are key to securing consumer loyalty and purchasing. With AWS Contact Center Intelligence (CCI) solutions, you can add AI/ML to your existing contact centers like Genesys, Cisco, Avaya, 8x8, Talkdesk, and many more. Join this chalk talk to learn architectures and best practices for how to address common issues when implementing AI-powered solutions in the contact center environment of your choice. See how AWS language AI services can empower you to enhance self-service capabilities, analyze calls in real time to assist agents, and extract insights from customer conversations with post-call analytics.

(日本語訳)

コンタクトセンターは、消費者のロイヤリティと購買を確保するための鍵です。AWS Contact Center Intelligence (CCI) ソリューションを利用すれば、Genesys、Cisco、Avaya、8x8、Talkdeskなど、既存のコンタクトセンターにAI/MLを追加することが可能です。このチョークトークに参加し、AI搭載ソリューションをご希望のコンタクトセンター環境に実装する際の一般的な問題に対処するためのアーキテクチャとベストプラクティスを学びましょう。AWSの言語AIサービスによって、セルフサービス機能の強化、エージェントを支援するためのリアルタイムでの通話分析、通話後の分析による顧客との会話からのインサイト抽出がどのように実現されるかをご確認ください。

コンタクトセンターにAI/MLソリューションを導入する際のアーキテクチャやベストプラクティスを学ぶセッションとなっています。

セッション聴講内容

AIが解決する課題

  • 課題
    • Long hold, resolution times (長い保留時間、解決時間)
    • High agent turnover (エージェントの高い離職率)
    • Lack of actionalbe insights (アクションインサイトの欠如)
    • Low operational efficiency (低い業務効率)
  • 得られるもの
    • Boost customer satisfaction (顧客満足度の向上)
    • Improve agent productivity and retention (エージェントの生産性と定着率の向上)
    • Drive revenues and reduce costs (収益の向上とコスト削減)
    • Better address compliance needs (コンプライアンスへの対応)

ユースケースとソリューション

CCIとはContact Center Intelligenceのこと。

  • Self-service virtual agents
    • 音声ボットやチャットボットなどのバーチャルなエージェント
  • Real-time call analytics & agent assist
    • リアルタイムの通話分析と、過去の履歴やナレッジなどの情報へのアクセスをアシストする。
  • Post-call analytics
    • 通話後の分析、トレンドを認識し、対応のスクリプトにフィードバックする、インサイトを得る。

Post-call analyticsは従来でも存在し、エージェントが手動で記録をすることが多い印象で、その工数は結構大きかったと記憶しています。

ソリューションで使用されるAIMLサービスの一覧。

Lex、Polly、Transcribe、Comprehend、Kendra、Translateが挙げられています。 Kendraは過去の履歴やナレッジなどの情報へのアクセス時に使用するようです。

これらをコンタクトセンターに導入する方法としての選択肢が2つあるようです。

既存のコンタクトセンターにAWSのAIML機能をアドオンする方法としてAWS CCI Solutions、 AWSのAIML機能が組み込まれたEnd-to-endのコンタクトセンターを使用する方法として、Amazon Connectがあります。

Self-service virtual agents

ボットを使うことで、約30%をボットのみで済ませることができ、コスト削減ができたと説明されていました。

続いてその構成についての説明です。

Prebuildされたボットや、chatbotをdesignするための自動アシストもあるようですね。

自動アシストについてはQAもあり、過去のスクリプトや、エージェントと顧客が交わした会話から、 その意図や態度を読み取り、ボットの構築に役立てることができる機能のようです。

その後はデモシナリオについて説明がありました。

その次はアーキテクチャの説明です。

最初に接続されるものはLexで、自動音声の書き起こしが組み込まれていたり、Pollyに電話を掛けることもできます。 また、LexからTranslateを呼び出すことも可能です。 またプログラムしていないものを顧客が求めている場合に、Lexから直接Kendraを呼び出すことも可能です。

他のGenesys Engate、Avaya、Ciscoのようなコンタクトセンターと統合するには、以下のようなアーキテクチャとなります。

Chime SDKを使って接続する形となっています。

Genesis Cloudを使っている場合、AWSとのコネクターを準備しているため、より直接的に接続が可能なようです。

Real-time call analytics & agent assist

事例として、福利厚生を管理する企業で、エージェント・アシストを導入し、 エージェントがナレッジベースで検索できるようにしました。平均して、通話時間は9秒から15秒短縮されました。 これを数百万件の通話に適用すると、1年で40万円の節約になります。

続いてその構成についての説明です。

  • Turn-by-turn transcripts (リアルタイムな書き起こし)
  • Agent & customer sentiment (エージェントと顧客の感情分析)
  • Call categorization (通話分類)
  • Issue detection (問題の検出)
  • Suggested answers (回答の提案)

Transcribeには複数のAPIがあります。このストリーミングの書き起こしは、Transcribe Call Analyticsと呼ばれており、先日ローンチされたばかりの機能です。

実際のデモの実演もありました。

アーキテクチャの紹介がありました。 Amazon Chime Voice Connectorで接続されるようです。

他のコールセンターと接続する場合。

Genesis Cloudを使用する場合。

Chime以外を使用することも可能ですが、Chimeが最も簡単であるため推奨とのことでした。

Post-call analytics

最後に3つめのPost-call analyticsについて。

事例としてCDCが昨年、Postal Analyticsを使って、米国市民がなぜ予防接種を受けていないのかを分析しました。 その他にも、新製品の発売後に何が起こっているかを理解するために、実際にこのツールを使うことが可能。

その後のデモは時間の関係で説明がスキップされました。

ユーザー・インターフェース自体は、専用に作成されたもののようです。

通話のタイムスタンプ、通話時間、感情分析の結果などの情報の詳細を得ることができる。 Average Word Confidenceなど、書き起こしの性能を確認することも可能。 感情分析については、時系列的な変化も表示されていますね。

その構成についての説明スライドです。

可視化は、実際お客様毎に自身のみの可視化にこだわる方がおおく、KPIも会社によって異なります。 データはすべてJSONで入手できるので、サービス、チーム、パートナーが、このようなビジュアライゼーションの作成を支援することも可能です。

質疑応答

理解できた範囲あった質疑応答について記載します。

Q : ボットのインテリジェントな自動作成について、私たちが直面している最大の課題の1つは、方言に対応したボットのチューニングです。そのような機能はありますか?

A : アナリティクスの部分には、ボットが基本的に理解していない、聞き逃した発話や事柄が記載されています。 それを元に、不足している語彙を、例えばTranscribeのカスタム言語モデルなどでチューニングすることができます。 実際、オーストラリアのクイーンズランド州の特定の訛りについて、これらを試して解決したことがあります。

Q : 過去のナレッジをクエリして情報を得ることはどれほど簡単なのでしょうか?

A : 本当に簡単でクエリをタイプする必要さえありません。 お客様が話している最中に、お客様が質問していることが自動的にKendraに送られ、エージェントは何も入力しなくて もすぐに結果を見ることができるところまで、自動化することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 Chalk Talkということで、AWSが考えるコンタクトセンター向けのAIMLサービスについて詳しい話が聞けて良かったです。コンタクトセンター今後もAIMLサービスが活用されていく分野だと思いますので、これからも着目していきたいと思います。

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